リユース今昔

2012年10月13日 00:57

IDEA R LAB では様々な廃材や、什器を無駄なく使いながら、気持ち良い空間を作ることを目指している。
真夏に行った着工前の片づけの仕分け作業で大活躍したのが、倉敷に本社があるカモイ加工紙株式会社のマスキングテープ。様々な幅のカラフルなテープは粘着力はあるものの、はがしやすく跡が残らないので、便利このうえない。
家具や建具、電気製品に、床材まで、保存分、再利用分、現場事務所で当面使うもの、廃棄するもの、と色違いの幅広テープで分類しつつ室内に出ている膨大なものものを、粛々と片づけ終えることが出来た。分類に迷いが生じても、気楽に貼り直しがきき、気持ち的に救われる思いがした。
その後、ひと月ほどして改修工事の現場で、面白いモノを見つけた。
 
壁の裏側に貼られていた使い古しの和紙。調湿と補強の為とのことだったが、土壁に馴染み、ところどころ欠けているその様子が、なんだか絵画のようで心惹かれた。床下を覗くと基礎に石臼が使われている場所がある。そうか、昔の人はクリエイティブ・リユースベースの生活をしてきたわけだ。いつから私たちはそれを忘れてきちゃったんだろう。積みあがってきた記憶や知恵をゼロにして、まっさらから始めること。何かを手に入れるためには、お金を用意すること。長い間それをあたりまえだと思ってきた。でも、壁の裏側に隠れていた古びた紙や、柱を床下で支え続けて300年の石臼に、「そんな考え方、そろそろやめにしていい頃じゃないのか?」と、言われたような気がしたのだった。

ある意味 先祖帰りの改修工事

2012年08月16日 23:08


IDEA R LAB の改修は、2世代前の形状に戻しつつ、新たな血を通わせ、空間やその活動をゆるく地域に開いていく作業でもあるように感じています。
モノクロの写真は同じ場所から撮影した60年前の風景。片づけの中でひょっこり見つかりました。

IDEA R LAB 圧倒的な量の器やモノと格闘中

2012年08月12日 00:56

多くの仲間の助けを借りて、改修工事に向けてリユースもの、差し上げもの、保存ものなどの選別と、掃除に格闘中。ありがとう!門松、幹子さん、アムちゃん、ゆきちゃん、リノちゃん、成蔵さん、秋山君、あかり子ちゃん、トミー、高杉さん、佐藤さん、瀬川さん、平野のおばちゃん、西村さん!!皆さんのサポートがなければ心折れてました。江戸時代の蔵の中に詰まっていたモノものは、白日の下にさらされ、それぞれ活躍の場を見つけました。民家園、アーティスト・イン・レジデンス、それぞれの家庭、アトリエなど。みんなに使ってもらえるモノは幸せです。
記憶をつないでいくこととは、どういうことか、このしんどい作業のおかげで、少しわかった様な気がします。曽祖父以前の人々の名前、曽祖父の日記、祖父の帳簿やノート、父や叔母の学校の教科書に作品。それぞれの物語があったことがリアルに浮かび上がってきて、現代の生活とは何なのか?を考えさせられました。蔵や押入れは、まるでタイムカプセルでした。